愛を読むひと

生活

私はアマゾンプライムで最近この映画を観ました。

 

15歳の少年が21歳年上の女性に恋をするラブロマンスだと思って居ました。

 

でも、この映画はラブロマンスの枠には収まりません。

 

 

もっと深い、第二次世界大戦後のドイツに生活する戦争体験者と、ドイツ政府が行った残虐な行為を嫌悪する若者の話です。

 

ぜひ観ていただきたい映画です。

 

 

※ネタバレも含みますのでご注意ください。

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あらすじ

 

物語は1995年ベルリンから始まります。

 

弁護士マイケルが一夜を共にした女性に、今日の予定を聞かれ、1年間外国で暮らして居た娘に会うと話すところから始まります。

 

マイケルは街を走る路面電車を眺め、15歳だった1958年に場面が変わります。

学校帰りに具合が悪くなったマイケルは、21歳年上の女性ハンナに助けられ、2人の濃密な恋が始まります。

 

 

ハンナは本を読んでもらう事を好み、マイケルはハンナの為に様々な本を読み、愛を交わします。

 

 

2人は1泊2日のサイクリング旅行にでかけます。

のどかな田園地帯の中を笑いながら自転車を走らせ、立ち寄った教会で讃美歌に涙するハンナがいました。

 

ランチメニューを見てたじろぐハンナは、マイケルに注文を任せます。

ハンナを母親と間違う店員に見せつけるかのように、マイケルはハンナにキスをするのでした。

 

 

路面電車の車掌をして居たハンナは、真面目な勤務態度を評価され、車掌業務から事務職に昇格するのですが、突然、マイケルの前から姿を消してしまいます。

 

 

人に自分を曝け出すことが出来なくなってしまったマイケルは、8年後1966年法学部の学生として、裁判の傍聴に出向きます。

 

 

被告として呼ばれた名前は、突然、姿を消してしまったハンナだったのです。

アウシュビッツの生き残り女性が書き下ろした「死の行進」が出版され、20年後に裁かれる立場になったのです。

 

 

1943年からナチスの親衛隊として看守をして居たハンナは他の看守が真実を有耶無耶にするにも関わらず、正直に告白するので疎まれて居ました。

 

 

裁判は、宿泊した教会が空襲を受け燃え上がるのを知りながら、鍵を開けず、ユダヤ人300名を死に至らしめた首謀者が誰であるかが争点になりました。

 

報告書を書いたのは責任者ではるハンナであると責任をなすりつけられ、必死で否定をするハンナでしたが、報告書の筆跡鑑定をする為、渡されたメモ用紙とペンを前にして、ハンナは報告書を書いたのは自分であるとアッサリ認めてしまうのです。

 

 

ハンナにだけは殺人罪が適用され、無期懲役の重い刑が下ります。

 

 

マイケルは服役中のハンナに、朗読を録音しテープを送ります。

 

獄中でハンナは字を覚え、マイケルに拙い文字で手紙を書きます。

 

マイケルからの返事を待つものの、返事は一通もきません。

 

 

模範囚として服役したハンナは1988年20数年で出所が決まります。

身寄りのないハンナの身元引受人としてマイケルは、30年ぶりにハンナの前に現れます。

 

 

マイケル「狭いけど部屋も用意した、友人の仕立て屋で仕事をくれる。

図書館も近くにある。

本を読むだろう?」

 

ハンナ「読むより読んでもらうのが好き。

でも、もうそれは終わりね」

 

 

マイケル「過去のことを考える?」

ハンナ「私達2人のこと?」

 

マイケル「その過去じゃない」

 

ハンナ「どんなふうに感じようとも、どんなふうに考えようとも、死んだ人は死んだままだわ」

 

 

マイケル「何を学んだ?」

ハンナ「文字を学んだわ」

 

マイケル「1週間後に迎えに来る」

ハンナ「ありがとう」

 

 

ハンナの心とは裏腹に、淡々と帰ってしまうマイケルでした。

 

出所の日、迎えに来たマイケルはハンナが自殺したことを知らされます。

 

 

1995年娘と共に訪れたのは、15歳だった頃ハンナと訪れた教会でした。

教会の裏には、

ハンナ シュミット

と書かれた墓がありました。

 

 

マイケルは愛娘に彼女との思い出を話し始めるのでした。

 

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ケイト・ウインスレット

 

主役のハンナを演じています。

 

1975年10月5日生まれ

イギリスの女優で、7度のアカデミ賞ノミネート経験を持つ実力派の女優です。

第85回アカデミー賞では「愛を読むひと」で主演女優賞を受賞しています。

 

釈放が決まったハンナにマイケルが会いに来ます。

 

別れ際、ハンナは立ち上がり、マイケルと向き合います。

 

つれなく立ち去るマイケルですが、見送るハンナの左手が少しだけ動きます。

今だにマイケルを強く思うハンナの心情が伺えます。

 

表情や僅かな動きでハンナの心情が汲み取れて、凄い女優さんだと思いました。

 

 

映画の背景

 

親世代が戦争経験者で、生まれた子供世代にはナチスの残虐行為に強い嫌悪を感じています。

 

8,000人がアウシュビッツで働いて居ましたが、有罪になったのは19人、殺人罪は6人です。

 

ほとんどのナチス親衛隊は良心の呵責に苦しみ、感情に蓋をして生き続けているのが現状です。

 

戦中の罪悪感を抱えながら生きる戦争経験者の悲哀が戦後40年以上経っても消えることなく続いています。

 

まとめ

 

この映画は戦争経験者と、戦争経験者の子供世代の恋愛を描く上で、年齢差が必要になります。

 

育った時代背景の違いが大きな影を落として居ます。

 

戦後のドイツが抱える問題であり、戦争はそう遠い事ではなく、今尚、普通に生活している人々が苦悶しているのだと思いました。

 

 

侵略された側の悲しみや、虐殺されたユダヤ人の悲しみをテーマにした映画はよくありますが、加害者側であるドイツ人が良心の呵責に苦しむ映画は初めてでした。

 

マイケルはハンナを愛しながらも、戦時中に行ったハンナの行為に嫌悪し、

若い頃のようにひたむきに愛を伝えることができません。

 

好きと嫌いが共存するかのようです。

 

 

ハンナは自分が重い刑に処せられるとわかりながらも、隠したかった文盲である事実ですが、マイケルに手紙を書きたい一心で文字を習い始め、文盲を曝け出してしまうのです。

 

マイケルからの返信はなく、その理由を再会した時に察したのでしょうか。

 

文盲のハンナにできる仕事は限られ、ナチス親衛隊として看守として働き、与えられた任務を果たしてきました。

 

裁判中に

「あなたならどうしますか?」

 

裁判官に問う場面があります。

 

言葉に詰まる裁判官の姿は、全ての人の反応です。

 

 

 

この映画には原作があります。

朗読者

「THE READER」

読んでみたいと思います。

愛を読むひと(字幕版)を観ました。Prime Videoをチェックしてみてね!

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